印籠芯を使用して、折れてしまった竿を修理!
・こんにちは、タックルオフ沼津店。
リサイクル、リメイク担当の福田です。
・今回の修理受付ですが、
不運にも折れてしまったロッドの修復に取り掛かります。
・持ち込まれたロッドも年代品ですが、使い込まれた愛竿!
お客様の思い出の一品、直す(釣りが出来る限り)事が出来れば、修理をして欲しいと言うご要望あり、ロッドの折れ方を拝見させて頂き、お受け致しました。
※・インロー芯って何?
折れたロッドの内径に合わせて、カーボン芯材を内部接着する事により、補強継ぎ手となる物です。 現在、タックルオフで取り扱っています。
・インロー芯(カーボンブランク)を差し込み、内部の継ぎ手補強を行う上で、
修理対象品の状態をしっかり確認、特に折れた場所、折れ具合の確認は必須。
※釣り場で、ロッドを折ってしまったと言うケースでは、ロッドを立て掛けていた時、風にあおられ地面に叩きつけられて破損や車のドアに挟み込み破損した受付が多いです。
(市販のロッドスタンドをご使用されるとより快適で安心かと思われます。)
・今回のお受けした修理品の状態が、インロー芯を入れて仕上げる事ができると判断し、お受け致しました。今までに持ち込まれた中には、インロー芯を入れても、竿としての機能が極端に失われてしまう物は、説明しお断りしております。
・今回、修理受付判断の基準として2点ありました。
・1点目は、グリップに近く破断面も綺麗だった為、グリップに近い程、内部径が稼げてインロー芯の外径が太い物が使用できると言う事。(強度保持確保)。
・2点目は、一気に折れたので、縦割れの損傷が少なくカットする長さも上下2.5cm位で済んだ事です。
ブランクにゆっくりと外圧を掛けるとどの様に折れるか、ご存知ですか?
竹もそうですが、竹の側面に外圧を掛けて行くと折れまいと反発します、破壊の瞬間に反発していた力も一気に弱い所に集中する為、相乗的に損傷は酷くなります。(大体縦に大きく裂けます。)
・それでは、修理に掛かります。
破断面の処理として、ヒビの入り具合によりカットの長さを確認します。
グリップ側は、ロゴの「チマチマ」のチマまで細目のノコギリで2.5cmカット、折れた上部側もヒビの入り具合を確認しながら、2.5cmカットを行い、カット面をヤスリの細目で滑らかにする。
・※カットと面研ぎ終了!
・内径に合わせてインロー芯を選びます。
インロー芯も全長9cmで、上下に4.5cm入る長さにカットする。
・インロー芯の表面をシンナーで汚れを拭き取ります。
※表面が汚れた状態で接着すると剥離や修理後のガタツキ異音発生の元になります。
細かな事ですが、これで初歩的ミスは処理できます。
・インロー芯を差し込んでイメージ確認します。
・一番大事な接着に入ります。
接着面に接着剤の量が少ないと、剥離やキャスト時に異音が発生する確率が高くなるので、
30分のエポキシを使用し、ブランク内部上下にしっかり流し込んで接着します。
・接着後も竿を強めに振って確認。異音なども無く、無事完成しました。
エポキシ接着注入の為、若干の持ち重りはあります。
※インロー芯での修理は、万能ではありません、実際ブランク内に異物を入れて補強しているだけなので、やはり調子は変わります。
ご使用出来る範囲まで修理出来ましたら幸いです。
ブログ掲載も快く承諾され有難うございます。